思い立って明日香村に行ってみた
以前勤めていた会社にはなぜか大仏好きの女性が多く(「歴女」という言葉はあるけど、「仏女」って言葉もあるのか?) 、どこの大仏を見に行ったとか、どこの大仏がカッコいいとか、よく大仏について熱く語りあっていた。そんな彼女たちに「一押し!」と言ってお薦めされたのが、明日香村の飛鳥大仏。「顔立ちが他の大仏とちょっと違う。凛々しくてカッコイイ。明日香村の雰囲気も大好き、私は毎年必ず行っている」と言う。当時はふーん、と聞き流していたが、明日香村の名前はいつか訪れたい場所として頭の片隅にあった。
そして、ついに来ちゃいました。衝動的に。
中学校の修学旅行以来の奈良。遷都くんの奈良。
![]()
ほほう、ここが明日香村かー。
さて、ここからどうしよう(いつもながらの、行き当たりばったり、ノープランの旅…)。
明日香村の中には、いろんな場所に古墳やら寺やら石造物やらが点在しているようだ。歩いて回るには労力と時間がかかりすぎる。周遊バスは1時間に1本しかなく、これも非現実的。ということで、駅前のレンタルサイクルで自転車を借りるしか選択肢はなかった。
しかしまさか今日、明日香村に来ることになるとは思ってもみなかった私、モノトーンのモードなミニワンピースとレギンス、黒のパンプスという場違いな服装。こんな格好でこの猛暑かつ炎天下の中をチャリで走りまわるなんて気の毒と思ったのか、非常識な子だと呆れられたのか、レンタルサイクル屋のおばちゃんが麦わら帽子を貸してくれました。
しかし、似合わねーw
高松塚古墳と私。
結局麦わら帽子は旦那さんに譲った。
真っ黒になってもこの帽子を被った姿を晒し続けるよりはマシだ。。。
明日香村は思った以上にのどかなところで、これぞ村って感じの田舎の風景。観光客で混雑していることもなく、のんびり、おおらかな雰囲気で、とてもとても素敵なところだった。
単なる週末なのに、子供の頃の長い夏休みを過ごしているような気分。時間が引き伸ばされて非現実的な感じ。昔からここにいたような、これからもずっとこの時間が続くような。
田んぼの向こうに橘寺。
![]()
橘寺は聖徳太子生誕の地とされているんだって。
聖徳太子が生まれた場所という割には小じんまりとした、静かなお寺だ。何となく良い気を感じる場所。隅々まで綺麗に手入れされており、この日も笠を被ったおばちゃん達が草取りをしていた。
本堂の脇にさり気無く存在する二面石。写真ではほとんど分からなくなってしまっているが、善と悪の顔。
往生院の天井は極楽浄土の花の絵でいっぱいだ。これはとても美しかった。縁側から入ってくる風を感じ、虫の声に耳を傾け、一面に鮮やかな花の絵を見ながら畳の上に寝っころがっていると、時間を忘れてしまいそうになる。
お寺の方が目を光らせていることもなく、ご自由にお入りください、というのも良い。
入り口には「はきものをそろえると心もそろう」という張り紙が。普段脱ぎ散らかしていく人も、こう書かれたら揃えざるを得ないだろう。靴を揃えただけなのに、何となくシャキっとした気持ちになる。
![]()
またしばらく自転車で走って行くと、石舞台古墳。
日本最大級の横穴式石室だそうだ。階段で中に降りていけるようになっている。
中に降りると、何だかカッコイイお兄さんが立っていた。ボランティアのガイドのようだった。
「この炎天下にこんな場所に来るなんて、皆さんよっぽどの歴史好きか何かですか?」と聞かれみんな苦笑い。おそらく特に歴史好きではないが、何となく来てしまった人たちの集まり…。
が、とにかくこのお兄さんが石舞台古墳について色々と解説してくれて、面白かった。この古墳を発掘した時には既に盗掘されて何もなかったこと、石棺すらなかったのは石が近くの建物にリサイクルされたようだということ、この古墳が蘇我馬子のものだと考えられている理由などなど。解説があるのとないのとでは、印象が全然変わってくる。ありがたい。
近くの売店で売っていた五穀米ソフトクリームが美味しそうだった。が、食べそびれて再び自転車で走りだす。
明日香村、田園風景も素敵だけど街並みも素敵なのだ。時が止まっているのか?ここは。
そして、飛鳥寺に到着。蘇我馬子が創建した日本初の本格的寺院。
ついに対面!イケメンと噂に聞いていた飛鳥大仏。
この飛鳥大仏の前で住職がお話をしてくださる。
「この飛鳥大仏は今から1,400年前に生まれ、1,400年間この場所でずっと日本を見守ってきました。聖徳太子も、その後の様々な歴史の登場人物も、皆さんと同じようにこの場所に座り、手を合わせてきたのです」と。
そう言われると確かにスゴイものを目の前にしているんだという気になってくる。1,400年間の日本史を思わず振り返ってしまう。(と言っても大した知識はほとんどないんだけど…)
あと、この寺が建てられた当時は、今の20倍の広さがあったらしい。そして、この大仏様がイケメンな理由は、当時はまだ日本で仏教が確立しておらず中国の仏教を参考に造られたため、大陸的な顔をしているからなんだって。納得。
時間が迫っていたため、飛鳥資料館を駆け足で回り…
猿石という謎の石造物などをサラっと見て、駅に戻ってまいりました。特急で大阪まで帰る。
大満足でしたわ、明日香村。リピーターになって毎年来ちゃうというファンがいるのもよく分かる。私もまた来たいもの。次に来るなら春か秋がいいかなあ。秋の明日香村はすごく雰囲気があって良さそうだ。
そうそう、飛鳥村の主な観光スポットの割引チケットがついているパスポートがある。幾つかの観光モデルコースや観光スポットの簡単なガイドも付いていて、記念にもなるし結構使える。 中もちゃんと本物のパスポートに似せた造りになっている。旅券番号も通し番号だった。そんな細かい工夫にもぐっと心を掴まれる。
