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バレエ鑑賞メモ:モーリス・ベジャール・バレエ団「80分間世界一周」

11月 8th, 2010 — 11:41pm

約1年前、映画「ベジャール、そしてバレエはつづく」を観た時にBBLの来日公演は絶対に観に行かねば、と思ったのだった(その時の感想)。ジル・ロマンの新作「アリア」を生で観たかった。
が、日程が発表されてみたら、「アリア」の上演日は整体の学校がある日ではないか。。。学校はどうしても休む訳にはいかない。「80分間世界一周」なら観れるけど、バレエ貧乏と失業で経済逼迫の状態の中でも行く価値あるかなあとかなり悩んだ。結局一応観に行くことにして一番安い5階席を買ったのだが、テンションはかなーり低かった。

でも結果的に行って良かったよ!

前半はあまり盛り上がらないままスルスルと終わってしまった。男性も女性も、筋肉質で引き締まった身体の美しさは見惚れる程だし、さり気ない動きやラインやつま先にハっと魅せられるところはありつつも、意外と心は冷静なまま。ところどころ欠伸が出てしまった場面もあったり。

それをガラっと変えたのは、やっぱりジル・ロマンだったんだと思う。ほんのちょこっとしか踊らないのに、空気をサっと変えてしまうあの表現力は何なのだろう。圧倒的なオーラで私の目を覚ました。

後半、徐々に心が暖まってきて、楽しくなっていく。北極のペンギンには笑ってしまった。コミカルな動きなんだけど、背が高くてスタイルが良すぎるペンギン達のキモ可愛さ!ペンギン好きのうちの妹に見せてやりたかったわ。
那須野さんも頑張っていたし、ダヴィド・クピンスキーも良かったし。最後全員で踊るブラジルに到達した頃にはすっかり楽しくなっていた。ベジャールのバレエには何か魂が揺さぶられるんだよな。表面的な感動じゃなくて、もっと心の奥底から、眠っていたエネルギーが起こされてフツフツと表面に芽生えてくる感じ。

空席は多かったけど、観客はみんな熱く拍手を送っていて、ベジャール亡き後のBBLに頑張れとエールを贈る気持ちが伝わってくるのも良かった。ついまたパンフレットを買ってしまった。ついでに来日記念DVDボックスまでAmazonでポチっと!あー、早く仕事決めて稼がなきゃ。。。

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2 comments » | @Tokyo, ballet

バレエ鑑賞メモ:オーストラリアバレエ「白鳥の湖」

10月 11th, 2010 — 11:13pm

「白鳥の湖」とは言っても、グレアム・マーフィーにより大幅に改編された作品。故ダイアナ元妃、チャールズ皇太子、カミラ・パーカー夫人の三角関係をモチーフにしたもの。
ということで、一体どんなもんだろう、こう言うのは当たり外れがあるからねぇ、一応観てみようじゃないか、という程度の軽い気持ちで上野に行ったのだが、良い意味で期待を裏切られた!

一緒に行ったバレエ友達と、1幕後の休憩で「面白いじゃん!」と語り合い、2幕後の休憩で「すごくいい!」と興奮し合い、終幕後は感動して共に大きな拍手を送った。パンフも買った。友達はDVDと来週の「くるみ割り人形」のチケットまで購入していた。

この作品の特徴は、パンフレットに紹介されている振付家グレアム・マーフィーの言葉によく現されていると思う。

ジャネット・ヴァーノン、クリスティアン・フレドリクソン、そして私には夢があった。この夢は、委属契約(デギッド・マッカリスター、ありがとう)、胸おどる音楽(チャイコフスキー)、夢のカタチを整え飾るデザイン(クリスティアン・フレドリクソン)、それを彩る照明(ダミアン・クーパー)、またもちろん、様々な場面の背後に控える献身的なドリーム・チームの大勢のメンバーに支えられてきた。そして何よりも、この夢に住み、振付家の心象風景を共有し、彼のうつろな亡霊に肉と血を与えた、美しく研ぎ澄まされた身体の存在だ。…

そう、振付、音楽、照明、舞台装置、ダンサーの総合力の勝利。舞台装置はシンプルだが、工夫が凝らされた照明と、振りと、チャイコフスキーの音楽がぴったり合わさるととってもドラマチック!(マシュー・ボーンの「白鳥の湖」に似ているという意見もあったが、私は観たことがないので分からない)。音楽は自由自在に組み替えられているが、振りとマッチしているので違和感は感じなかった。オケもよく鳴っていて満足。踊りのレベルは、まあまあ…か?と思ったが、トータルの舞台としてはとても良くて、大満足だったです。(あ、でもダイアナ妃の物語ではないと思った。全然。)

1幕の序盤からいきなりドラマチックな三角関係が展開され、激しくアクロバティックなリフトや振りの連続。オデットのマドレーヌ・イーストーはテクニックも表現も見事。夫の心が他の女性にあることに気付いて、悲しみ、すがり、絶望し、自暴自棄になり、怒り、取り乱していく様に胸が痛くなる。途中まであまりに哀れっぽいので気の毒で仕方ないのだが、ある時突然ぷつんと切れ、何かにとりつかれたようにグランフェッテで攻撃的に回りをケチらし始めた時にはスカっとして気分良かった。あれはカッコイイ(笑)。

2幕は「白鳥の湖」の世界。ハードな振りをこなすためか、コールドはガッチリ体型のダンサーが多くて白鳥っぽさが希薄。踊りも揃っていなかったり、足音が気になったりはしたのだが、振付の面白さでカバーされている。複雑に変わっていくフォーメーションから目を離せない。4羽も入れ替わりながらの踊りで面白い。オリジナルの振りよりこのグレアム・マーフィー版で踊ってみたいかも。あと印象に残ったのはオデットのアントルシャ・カトル!早いジャンプで何であんなに美しくつま先が伸びるんだろう…

3幕、4幕は真っ黒い舞台に、黒鳥たち。オデットが一人純白のドレスを着ていて、清楚なのに眩いほどに輝いている。王子は黒いパンツなので舞台に溶け込んじゃって足さばきが良く見えず残念。
物語が激しく展開していくところで、照明の力が遺憾なく発揮されているので、ドラマチックでドキドキしちゃう。踊りも、全体的に1幕に比べて動きが良くなっていたので、見ごたえがある。最後のオデットと王子のパ・ド・ドゥは美しく、悲しい。オデットが湖に沈み、黒い布が穴に吸い込まれて行くのは、鮮やかで印象に残るラストシーンだった。

一応YouTube。でも映像じゃ良さが伝わらないなあ。もう一回観たい!


「くるみ~」も観たいところだが、バリに行くので断念。きっと面白いんだろうなあ!

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