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映画鑑賞メモ:パリ・オペラ座のすべて

バレエに興味を持って、私が初めて買ったDVDはパリ・オペラ座の『ロミオとジュリエット』だった。モニク・ルディエールの踊りや演技に圧倒された。モニクもルグリも、パリ・オペラ座というバレエ団も好きになった。
昔のパリ・オペラ座にはカリスマ性とテクニックと表現力と音楽性を兼ね備えた素晴らしいエトワールが沢山いた。最近はどうも小粒というか、一時期の輝きを失っているように思えるが(特に女性ダンサーがいまいち)、それでもパリ・オペラ座には特別な思い入れがある。

そして、パリオペファンとしては 『パリ・オペラ座のすべてを見を見逃す訳には行かないのだった。いろいろな事情がありこの時期になってしまったが、終わる前に見に行けて良かった。期待通りの充実した内容。158分もあっという間だった。

日本ではほとんど観ることのできないコンテンポラリー作品の映像が沢山。興味深い作品が幾つもあった。断片的じゃなく全部観たい・・・!(でも日本とパリの距離は遠すぎる(涙)) 
クラシックは『くるみ』と『パキータ』。リハーサルでの講師陣の辛口コメントが笑えた。散々文句言ってるのに、三回転のピルエットをきめた途端に「まあ、いいか」的な評価に変わる現金さ(やっぱり全体の踊りより、ピルエットの回数なのね!?と切なく思った)。
クラスレッスンの風景をもう少し観たかったなあ。少しだけ映ったバーレッスンの映像を食い入るように見た。タンデュやバランセなど、基礎の基礎のレッスンを「ハートで踊って!」と注意しているのがとても印象深かった。
そして、裏方のスタッフたち。衣装制作や照明など、プロフェッショナルな人々の支えがあってオペラ座が機能しているんだ、ということもきちんと描かれていた。
さらに、ダンサーが配役に異議を唱えている場面や、年金制度改革について経営陣が説明する場面などもあって、普段知ることのない裏側を見た、という感じで大満足。

忘れてはいけないのが、芸術監督のルフェーブル女史。パリオペの映像には必ず、というほど登場する露出好きのおばちゃんなイメージしかなかったのだが、今回の映画を観て印象を改めた。この人がパリ・オペラ座を支えてるんだよな。金集めから、レパートリー、ダンサーの育成や配役まで、本当に「神」のように全てをマネジメントしている。
伝統あるバレエ団を守っているという自負心と責任感と、バレエ団の質を維持するための苦労が大変良く伝わってくる。若いダンサーの姿勢に危機感を抱いているのだ。コールドのダンサー達に「パリ・オペラ座のダンサーとしての自覚を持って欲しい。レベルを維持出来なければ我々の存在意義はないんだ」というようなことを説くシーンがあるのだが、そこで拍手をしたダンサー達に「拍手してる場合じゃない!」とマジギレするところはとても共感した。集団のレベルを一定以上に保つことの大変さは個人的によく分かる・・・

と、盛りだくさんな内容で大満足でした。もっと長くても良かったくらい。でも終わった瞬間に、私も含め大勢の人がトイレに向かったけどさ(苦笑)

ああ、でも本当にバレエってすごいな。素晴らしいな。バレエ好きはもちろん、バレエに興味のない人にこそ観て欲しい。バレエってひらひら優雅に踊るもんじゃないってことが分かるはず。




ロミオとジュリエット [DVD]

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映画鑑賞メモ:ベジャール、そしてバレエはつづく

面白かった。すごく面白かった。始まってすぐに泣いていた人がいたし(この人は熱烈なベジャールファンかもしれないが)、映画の終盤では私も含め、多くの人が眼に涙を浮かべ、鼻をすすり上げ泣いていた。

ローザンヌを拠点とするモーリス・ベジャール・バレエ団。ベジャールを敬愛し、ベジャールの作品を踊りたくて集まっていたダンサー達。モーリス・ベジャール亡き後、離れ散り散りになる方がよっぽど自然なことだ。しかし、何とか愛するバレエ団とベジャールの作品を存続させるべく、彼らは必死に戦う。ベジャールが形見として残した言葉、「過去を振り返るな、何があっても前に進め」という言葉を自らに言い聞かせながら。

ジル・ロマンとダンサー達の姿は、嵐の大海原に投げ出された小舟の上で、荒波に飲まれそうになりながらも、必死にオールを漕いでまだ見えぬ大陸を目指す冒険者達のようだった。映画の最後、バレエ団の存続がかかったジル・ロマンの新作は一応スタンディングオベーションで迎えられる。が、それは最初の関門を超えただけのこと。今後も厳しい状況は続くだろう。

普通の人間にはとても背負い切れない程の、多くのものを両肩に背負いながら前に進むジル・ロマンと、ベジャールとバレエを愛し、満身創痍で踊り続けるダンサー達に幸あれ。

うろ覚えだが、心に残る言葉が沢山出てきたのでメモしておく。ジル・ロマンの言葉。
「過去は振り返らない。現在を生きて未来を創る」
「芸術は脆い、芸術は壊れやすい」
「十分に練習してきたから、必ず上手くいく。バレエは君のものだ。守り抜け」

エリザベット・ロスの言葉
「壊すのはとても簡単、難しいのは構築すること」

そして、ベジャールの言葉。
「バレエ団は個人だ。死と再生を繰り返す」

来年の来日公演は必ず見に行きます。

オフィシャルサイト
Trailer


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