バレエ鑑賞メモ:英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ「眠れる森の美女」
初めてのバーミンガム・ロイヤル・バレエ。ロホを観たくて今日のチケットを取った。日曜の昼ということもあってか、ほぼ満席。
幕が開くとそこには宮廷画の世界が繰り広げられていて、目を見張る。重厚感があるシックな舞台装置と衣装。さすがロイヤル。眠りはこうじゃなきゃ!
踊りも、マイム多めのオリジナルのバージョンで、これまた英国らしい。
なんと、リラの精が踊らない。カラボスも女装ではないし、化け物的なメイクでもない。リラとカラボスはあくまで裏表の対な存在であることが強調されている。カーテンコールの時も、2人一緒に出てきてお互い目で牽制し合いながらレヴェランスをしていた。新しい!
リラの精のヴァリエーションである踊りは『喜びの精』が踊っていて、セリーヌ・ギッテンス?美しく上手だった。他の精もまずまずと言ったところ。ちょっと気になったのは、男性のコールドで、一列に並んだザンレールの着地が少々見苦しい。コールドのレベルがいまいちか。
タマラ・ロホは、キラキラ輝いていて、とても素敵なオーロラだった。常々思うのだが、ロホは映像より実物が断然良い。芸能人でも、写真やテレビで観るより生で観たらオーラがあって何倍も素敵、という人がいるけど、そんな感じ。映像でロホのローズアダージオを観た時は、バランスをこれみよがしに見せつけたり、4回転も回るなんて姫じゃない!と思ったけど、今日生で観れば、ちゃんと可愛らしいお姫様だった。特に印象に残ったのは、アチチュードプロムナードの後、手を話してアロンジェでパっとバランスを取ったところ。なぜか胸にグっと込み上げてくるものがあり、涙が出そうになった。言葉では説明出来ないけれど、幸福感があった。グラグラするところもあったけど、それが逆にオーロラの初々しさに繋がるってこともある。例えばヴィシニョーワは、美しかったけど貫禄がありすぎて姫に見えなかった。
しかし、2幕の後半は睡魔との闘いに。イアン・マッケイはハンサムな王子様だが、丁寧に踊りすぎているのか、調子があまり良くないのか、キレがいまいち。
さらに、リラの精に導かれて城に着いてからの流れが恐ろしく冗長で退屈・・・。普通は王子とカラボスが闘うところも、リラの精があっさりとカラボスを撃退し、王子は単なるキスするためだけの人で、なんだかなあ。
それでも3幕のグランパドドゥは二人とも完璧だったし、青い鳥はポールドブラが固すぎて鳥に見えないという欠点はあったものの、他の踊りはまずまず楽しめて、ゴールドの紙吹雪が舞う中でのラストは感動的。熱く熱く拍手を送りました。
だってさ、カンパニー全体で来日してくれただけで本当にありがたいし、涙が出そうになるほど感激するよ。『ニコラ・ル・リッシュとパリのエトワールたち』延期のニュースがあったばかりだから余計に、かな。(3.11から2ヶ月以上経ったのに、未だ危機的状況が続く日本の悲しさよ・・・。)ほんと、目を背けたくなるような現実の中で、バレエだけが救いだ。素晴らしい一時をありがとう。
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
振付:マリウス・プティパ、ピーター・ライト
演出:ピーター・ライト
衣裳・装置:フィリップ・プラウズ
照明:マーク・ジョナサン
国王フロレスタン二十四世:ヴォルフガング・シュトルヴィッツァー
王妃:ヴィクトリア・マール
オーロラ姫:タマラ・ロホ
フロリムンド王子:イアン・マッケイ
カタラビュット(式典長):デヴィッド・モース
カラボス:マリオン・テイト
リラの精:アンドレア・トレディニック
– プロローグ —
美しさの精:ナターシャ・オートレッド
お付きの騎士:ジョセフ・ケイリー
誇らしさの精:アランチャ・バゼルガ
お付きの騎士:ファーガス・キャンベル、
謙虚さの精:レティシア・ロ・サルド
お付きの騎士:ジョナサン・カグイオア
歌の精:ジャオ・レイ
お付きの騎士:クリストファー・ロジャース=ウィルソン
激しさの精:ダスティ・バットン
お付きの騎士:ヴァレンティン・オロヴィヤンニコフ
喜びの精: サマラ・ダウンズ
お付きの騎士:タイロン・シングルトン
カラボスのお付きの騎士:
ジェームズ・バートン、益子 倭、ショーン・マクラフリン、ナサナエル・スケルトン、
オリヴァー・ティル、ルイス・ターナー
リラの精のお付き:
ジェンナ・キャロル、ローラ・ダベンポート、淵上礼奈、ジェード・ヒューゼン、
アビゲイル・プルーダムズ、ローラ・パーキス
– 第1幕 —
4人の王子:ロバート・パーカー、ジェイミー・ボンド、ドミニク・アントヌッチ、タイロン・シングルトン
オーロラ姫の友人:
ジェンナ・キャロル、ローラ・ダベンポート、淵上礼奈、ジェード・ヒューゼン、
アビゲイル・プルーダムズ、ローラ・パーキス
ジェード・ヒューゼン、ニッキ・モファット、ローラ・パーキス
ガーランド:
アランチャ・バゼルガ、サマラ・ダウンズ、セリーヌ・ギッテンス、イヴェット、ナイト、レティシア・ロ・サルド、
ジェンナ・ロバーツ、ジョナサン・カグイオア、マティアス・ディングマン、ロバート・グラヴノー、
ヴァレンティン・オロヴィヤンニコフ、クリストファー・ロジャース=ウィルソン、トム・ロジャース
– 第2幕 —
伯爵夫人: ジャン・イジン
王子の側近:ジョナサン・カグイオア
– 第3幕 —
パ・ド・カトル:アランチャ・バゼルガ、ローラ・パーキス、マティアス・ディングマン、オリヴァー・ティル
長靴をはいた猫と白い猫:ロバート・グラヴノー、カリー・ロバーツ
青い鳥とフロリナ王女:ジョセフ・ケイリー、ナターシャ・オートレッド
赤ずきんと狼:ジャオ・レイ、ヴァレンティン・オロヴィヤンニコフ
グラン・パ・ド・ドゥ:タマラ・ロホ、イアン・マッケイ
◆上演時間◆
プロローグ 13:30-14:10
【休憩】 15分
第1・2幕 14:25-15:30
【休憩】 15分
第3幕 15:45-16:25