バレエ鑑賞メモ:ロイヤルバレエ ロミオとジュリエット
ロイヤル来日公演千秋楽、そして都さんがロイヤルで踊るおそらく最後の舞台。カメラが何台も入り、会場は当然満席。特別な夜だという緊張感が漂い、ドキドキしながら幕が開くのを見つめた。
都さんはどんな気持ちでこの日を迎えたのか。いろいろ胸に迫る思いはあっただろうが(秋に放送されるというドキュメンタリに期待したい)、踊る都さんの姿はいつものように落ち着いていた。
都さんのジュリエットは、奇をてらったところのない、14歳の恋する少女そのもの!可愛らしくて、キラキラしていて、純粋で、一途で・・・。一瞬で過ぎ去ってしまうが故に貴重で、人生で1番輝いている少女時代を舞台上で生きる都さんの姿を目にして、奇跡のようだと思った。
一つ一つの動きは自然でありながらもセリフが聞こえてくるよう。初めての恋に夢中になって踊るバルコニーのパドドゥも、ロミオと一夜を過ごした後のベッドルームのシーンもジュリエットの心のうちが見えるようで胸を打たれる。特にベッドルームのシーン、「ダメ!行かないで!」って本当に聞こえた気がしたもの。(それなのにマックレーのロミオは意外とあっさり去っていく。ああぁ・・・バルコニーシーンでは恋に落ちた若者の姿に泣くほど感動させられたのに、一夜を過ごすとこうなるのね男って!と思ってしまった・・・)
薬を飲むシーンは、悩み、混乱した末に衝動的に飲んでしまったという感じ。傍らで息絶えたロミオを見つけたときも、音楽のクライマックスに乗って泣き叫ぶことなく、抱きしめて静かに悲しみを受け入れている感じ。最期まで自然で、リアルで、その分悲しくて、これまで観てきたジュリエットが偽物のようにペラッペラに思えたことよ。
ジュリエットという役、ダンサーによって様々なアプローチがあり、苦悩の末に成長(というか老成というか)し、後半は悟りきった大人の女性になるものや、はたまた、登場した瞬間からやたら死の影が色濃く押し出され、最初から最期まで悲劇度120%なものがあったりするが、幾ら恋やら死やら婚約者やら、複雑な事情があったとしても、ジュリエットはあくまで14歳の女の子なんだよね。14歳の少女なりに悩み、考えただろうけど、キャラが変わるほどの変化を遂げる演技にはいつも違和感を感じていたので、都さんのジュリエットはすごく自然で納得感があった。
都さんのことばかり書いてしまったけど、マックレーのロミオも素敵だった。肌の色の白さ(白すぎるほど)や金髪、スラリとした体型は少年ぽさを感じさせて、少女のような都さんのジュリエットとお似合いだったし、美しいラインや高速シェネで魅せられた。マキューシオ、ティボルト、ベンヴォーリオのトリオも良かった。
カーテンコールはキラキラと舞い落ちる紙テープと山盛りの花束、いつまでも鳴り止まない拍手。観客にレヴェランスをした後には、後ろに並ぶ団員やオケにもレヴェランスをする謙虚な都さんが素敵。横断幕は「大成功おめでとう」と、「SAYONARA」の電飾。その安っぽさと場違い感はちょっと笑えたけど、感動的なカーテンコールだった。この空間にいることが出来て幸せでした。
あぁ、TV放映でもう一度観るのが楽しみ。録画して永久保存版にしなくちゃ。![]()
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