ビーチを目指して
ウブドは内陸なので、海はない。だが、やっぱり海に行きたい。ビーチで寝っ転がりながら、酒を飲み、本を読みたい。という訳で、タクシーを1日チャーターし、東部の海沿いの村へ行くことにした。
運転手に綺麗で静かなビーチはどこにあるかと尋ねると、「Padangbai(パダンバイ)だ」と言う。じゃあ、そこへ、ということで1時間半のドライブ。パダンバイに到着。濃紺の海が見えた。
確かに海なのだが…
ビーチがないよ?
船がとまっている。岩に波が打ちつけている。小さな漁村だった。ダイビングスポットとしては有名な所らしいのだが、ここじゃ、ゆっくり寝そべることは出来ない。
「OK、OK、ビーチならCandidasa(チャンディダサ)だ」と運転手が言うので、再び車に乗り込みチャンディダサを目指す。
チャンディダサに着き、「ここからビーチに行ける」と言われたところを歩いて行くと、またも船と堤防。打ち寄せる波。ビーチないじゃん!
「我々が行きたいのは、砂浜があって、チェアがあって、ゆっくり寝そべって本を読めるような静かなところなんだ」と運転手に抗議する。困った風情の運転手。もうあきらめようか、さっさとホテルに帰ろうかと思ったところ、近くにいる地元の人が「ここから少し行ったところにビーチがあるよ」と言う。
ほとんど期待せずにそれでも車に戻る。
山道をぐるぐる登っていくと、木の板に手書きの"Virgin Beach"という文字が見えた。四駆でないと降りれないような、でこぼこの急な下り、すれ違い不可の狭い道なんですけど…本当にこんなところにビーチがあるのか?意を決して車を乗り入れる運転手。
そして、そこに…
ビーチ!!!
嬉しくて思わず歓声を上げてしまった。
「Perfect!!」と運転手を労う。運転手もホっとしたようだった。嬉しそうだった。
早速イスに寝そべり、ビールを飲みながらのんびりと小説の続きを読む。
海で遊ぶ子供たち。かわいいなぁ。
そして、ここでランチ。美味しそうに見えるけれど、決してそんなことはない(苦笑)。お魚がパサパサ。 ポテトには味がない。
しかし、トコトコやってきて魚を凝視する犬。最後までこのままの姿勢で魚を見つめ続けました。
2時間ほど海を満喫して、ビーチを後にした。
本日のドライブの最終目的地、バリ先住民"バリ・アガ"の住む村、Tenganan(トゥガナン)へ。700人が住み、現在でもバリ初期のヒンドゥー教を守って暮らしている伝統の村。
長屋式の住居が並び、鶏が沢山飼われている。卵の絵付けが名産のようだ。また、メイン通り沿いには織物の工房が並び、カラフルな布が風に吹かれて揺れていた。
素朴な村の風景。
ずっと昔、日本にもこんな風景があったんだろうなぁ。
生きたまま転がされている豚。丸焼きになる運命を知ってか知らずか、哀しげにブヒブヒ鳴いていた。結婚式のためのご馳走らしい。
村の奥、森の中を通って行くと大きなガジュマルの木に守られるように、寺院があった。
神秘的なガジュマルの木。
人々はここで生まれ、ここで死んでいく。一度他所の場所へ出ていっても、また必ず戻ってくる。この土地に祖先がいるからだ、と運転手が説明してくれた。
人々の信仰深さ、コミュニティの強さを感じる村だった。
ウブドへ戻るとちょうど19:00前。ケチャを見ることができた。
Trena Jenggala@Bala Br.Padang Tegai(パダン・トゥガル集会場)
通りを走る車やバイクの騒音が気になったが、面白かった。いい体をした若者から、よぼよぼタルタルのお爺ちゃんまで、みんなで一つのことに取り組んでいる姿がとても良いと思った。真ん中で繰り広げられる踊りは、昨夜のレゴンの方がずっとレベルが高かったが。
夕飯は今夜もCafe Wayanへ。こんな店はきっと他にないもの。昨夜あまりに美味しかったので、再びミーゴレンを頼む。しかし今夜は若干水分が多く、普通の焼きそばになってしまっていた。昨夜のミーゴレンは本当に奇跡の味だったのだ! 昨夜の味を思うとちょっと残念だったが、全体的には今夜もとても美味しくて大満足。
ホテルに戻り、ふと空を見上げたら、真っ暗な空にいっぱい、キラキラと輝く星が見えた。満点の星空。星降る夜。そんな表現がぴったりだった。
二人でジントニックを飲みながら、星空を見た。涼しい風と虫の声に包まれていた。部屋の中からは蚊取り線香の匂いがした。
最高の夏の夜だった。